意外と自然ネ 反町隆史のダメ男ぶり(ロト6で3億2千万円当てた男)

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   実話に基づいているというので興味津々。それにしても、あー、もう見てらんない(と言いながら見てる)。だって、せっかく当てた3億2千万円が毎週毎週すごい勢いで減ってくんだもん。それもくだらないことに使ってしまったり、人にだまされたり……。そしてなんと早くも4回目にして残金8300円になってしまったのよ! 毎回、終わりに「チーン」と音がして計算書が出るのだ。

   ブログで「ロト6で3億2千万円当たった」なんて書いちゃダメだよ。ヘンな奴らが反応してくるに決まってるじゃん。でも考えてみれば、そのブログが原作なんだから、書かなければ、私たちは当たった人のことを知る機会はなかったわけね。

   立花悟(反町隆史)は38歳、バツイチ、年収360万。養育費を払わなきゃならないんだから、そりゃ、生活厳しいわけよね。パッとしない会社で年下の上司にもバカにされる毎日。彼女もなく、ボロアパートの一人暮らしでは、やっぱりパソコンだけが唯一の憩いなのね。それがいきなり3億2000万円も入ったら、「こう見えてもオレは大金持ちなんだぞ」と言いたくなるのも無理ないか。かく言う私も、もし当たったりしたら、このコラムで打ち明けちゃいそう。あぶない、あぶない。

   まず腹が立つのは会社の後輩、佐竹(石垣佑磨)。会社のお金を盗んでそれを立花に尻拭いさせただけじゃなく、キャバクラで浪費させるやら、遊園地貸し切り料を出させるやら。立花を立てるフリして、陰で時々見せるニタリ顔が憎たらしい。

   次にクライアント会社のOL、綾乃(小沢真珠)。お高くとまっているけど内実は質屋通い。この女がマンション購入資金2億7000万を持ち逃げしてしまったのだ。購入予定の豪華マンションで一夜を過ごし、立花が寝ている間にサヨナラ。お金の詰まった大きなカバンを引きずりそうにして歩いていく。そんな重いもの持って歩いている場合じゃない、早くタクシーに乗れ、気づいた立花が走って来るじゃないの、とイライラ。おっと、誰の味方なんだかわからなくなってくる。

   小沢真珠は昼ドラ「牡丹と薔薇(ボタバラ)」で、ここまでやるか!というくらい弾けた悪女ぶりを発揮して以来、「あくどい女」のポジションを確保した。けっこう好きな女優だ。

   ひょっこり現れていろいろ忠告する銀行派遣のカウンセラーと名乗る掛井(豊原功補)はどうもニセモノのようだし。しかしお金を巻き上げようとするわけでもないし。この人物は謎だ。見ている私たちを代弁しているようでもある。

   どこまでお人好しなんだ! バカバカ! と拳を握りながら見るので、精神衛生上悪い。一方で幸運を妬む気持ちもあるから、結局はお金で幸せにはなれない結末を見たいのもホンネ。反町隆史のダメ男ぶりは意外に自然だ。

「ロト6で3億2千万円当てた男」 テレビ朝日系 金曜夜9時~

文   カモノ・ハシ
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