<テレビウォッチ>逃げる暇もなく局地的、短時間に大雨をもたらす集中豪雨が昨日(7月28日)、近畿や北陸で猛威を振るった。
神戸市・都賀川では川遊びをしていた児童を含む4人が流されて死亡。金沢市の中心を流れる浅野川が氾濫するなど北陸では床上浸水の被害が続出した。直前まで、これほどの被害をもたらす予報は出ていなかったのに……
『スッキリ!!』は、「なぜ集中豪雨が起きたのか?」を木原実・気象予報士に聞いた。それによると……
「今回は気象図を見ると、特徴がある」という。「日本の上空に停滞した前線があり、その南側の太平洋上に高気圧、西側に台風・熱帯低気圧がそろった形になった」
「時計回りの高気圧と反時計回りの台風の回転が、ちょうど歯車のように噛み合いその間を湿った空気が持ち上げられ、前線付近で集中豪雨になった」
4年前に16人の死者を出した『新潟・福島集中豪雨』の時の気象状況とほぼ似ているという。
台風が大陸へ向かい南側に高気圧、日本列島を横断するように前線が停滞している気象配置は、素人でもある程度わかっていた。なのに、なぜ専門家は警報などの予報を出せなかったのか。
もう少しキメ細かな予報がされていたならば、被害を最小限に食い止ることが可能だったのではとの疑問が残る。
番組ではこの点については触れなかったが、そうした気象条件とは無関係な都市型の『自己完結型集中豪雨』も起きていると注意を喚起した。
これは、その場で発生し、その場で終わる集中豪雨で、12日東京・目黒区で起きたケースという。局地的に数分間、ドシャ降りの雨が降り道路が冠水状態になった。
木原予報士によると「ヒートアイランド現象が原因の一つと言われている。自動車やエアコンの室外機から出る排熱などが、狭い地域で集中して発生。上昇気流で都市の上空で積乱雲が発達し、大雨をもたらす」というのである。
では住民はどうすれば災害から身を守れるのか。評論家の宮崎哲弥は「自分の住んでいる周辺の地形で、どこが低く、どこが高いのかよく確認しておく必要がありますよ」と。当たり前のことだが、やはりこれが基本か……