がん患者の「語り」ネット公開へ その持つ意味

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日本の「遅れ」の理由

   「遅れ」の理由を国谷裕子キャスターが尋ねると、山口総長は「医師が中心だった医療が、20世紀終盤になってようやく患者参加型の医療が始まった……それと、私たちを含めて病気の研究はやってきたつもりだけど、病気を持った人間である患者さんの研究はほとんどなされてこなかった。それが今ようやく始まったということ」だと言った。

   イギリスでの"語りデータベース"制作には10億円の費用を要し、6割が寄付、残りが国の補助で賄われているそうだ。日本でのデータベースづくりに関して問われた山口総長は、役所のサポートが必要としつつも、患者が自ら声を上げることが望ましいと語った。参院本会議で自らがんであることを公表してがん対策基本法の必要性を訴えた、今は亡き山本孝史議員の姿が目に浮かんだ。命をかけないと国は動かせないのだろうか。

   例によって国谷キャスターが早口で前説を述べたが、この夜ほど番組内容のほぼすべてを言いつくした案内をほかに知らない。あとを視聴しなくてもいいくらいだった。来週から4週間、番組が休みであることを伝える声も弾んでいた。

アレマ

   *NHKクローズアップ現代(2008年7月24日放送)
クローズアップ現代は、北京オリンピックなど夏の特別編成のため休止、次回の放送は8月26日。

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