「おつかれぃっす」
「いや~、暑い暑い! やってらんない!」
「まぁまぁ、みんな暑いんだから。早く乾杯しよーよ!」
「んじゃま、カンパ~イ!!」
金曜日の夜。いつものように、旧知の大学女子仲間が集まる。場所は、知り合いの中国人女性が経営している中華料理店。
頼むメニューは、いつもきまっている。
エビ春巻き、揚げ小龍包、納豆炒飯、牛肉炒め……
会話も、いつもきまっている。
まずは、仕事の話。そして、仲間内のたわいもない話。
今回欠席の女子が、急にタレントの『さかなくん』のファンになり、おなじみのあのフレーズ「ギョギョッ!」の物まねを渋谷のカフェで披露してくれたんだ……という、30目前の女子とは思えない行動の話で盛り上がる。
そしてお約束の、恋話。
このように、女子同士でワイワイ騒いでいるばかりで恋愛に発展しない女子のことを、人は「干物女」と呼ぶ。
しかし、「干物女」以上に、ぴったりと当てはまる言い方があるのを最近知った。
それは、「喪女」。
干物女は、女同士でつるんで楽しめるが、喪女となると、女同士の会話にも嫉妬する、街でカップルを見かけると腹が立ってくる……、女にも見捨てられそうな、タチの悪い女のことを、喪女と言うんだそうだ。
知ったこっちゃない! そんなの誰が決めたんだ! そこまで、細分化する必要あるか? と、その言葉を知った時にプチっとキレた私。
あ、これってすでに喪女? と思い、さっそくあるサイトで見つけた「喪女検定」なるものを試してみた。売り文句は、『ひょっとしたらあなたは隠れ喪女?』
うまいキャッチに唸りつつ、検定の答えを予想し、若干イイ子ぶって検定を受けてみた。結果は……
「喪女80%」
やっぱり……やるんじゃなかった。なになに? アドバイスは、もっと寛大な心を持ちましょう、だって。ウルサイ! おまえに言われたくないんじゃ!!! という恐怖の「喪女検定」の話をしたところ、彼女たちは、やってみたい! と目をキラキラさせている。鞄からガサゴソPCを出して、さっそくトライ。
さて、結果は……1人は80%。そしてもう1人は、お見事!100%。
これで一同、納得。あぁ、リアルすぎて笑えてくる。
「私たち、どうやら干物女は卒業なんだね。これからは喪女で行こう」
「すみませ~ん、生、もう3杯っ!」
「んじゃ、喪女にカンパ~イ!!」