出世は「買うもの」 大分県教委の「常識」を解剖

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「汚れ役をやって偉くなる」

   江藤元参事の不正内容も具体的だ――採用試験結果の集計作業は県教委の会議室で本来、職員2人で行うことになっている。が、おととしは独りこもりきりで深夜まで作業、パソコンで一覧表をつくる際に、特定の受験者の点数を水増ししたり、減らしたりの改ざんをしたという。「不正に合格させた受験者は、41人のうち、半数以上にあたる20数人にのぼるとみられています」(ナレーション)。

   昨年、江藤元参事は昇進し、改ざんを指示する立場に立つ。「汚れ役をやって偉くなる……やっとオレも審議監ポストへの登竜門にきた」と当時の心境を述べたそうだ。幹部たちも汚れ役を果たし、将来を約束されて出世の階段をのぼって行った。ナレーションは「閉ざされた世界の中で腐敗の構図が出来上がって行ったのです」と伝える。

   スタジオゲストに事件の状況説明と対策を聞いた後半部分がゆるく感じられたのは、前半が核心をついて充実していただけに残念だ。捨てる勇気が必要なときもある。

アレマ

   *NHKクローズアップ現代(2008年7月17日)

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