新潟県糸魚川市で2番目に大きい総合病院が、昨2007年6月「丸ごと無くなってしまった」(ナレーション)ために、年間9万人の患者が行き場を失った。
医師不足が原因で、2000年に14人いた常勤医が閉院時には6人しかいなくなり経営が立ち行かなくなったのである。患者たちは一様に「ショックで……どこの病院へ行ったらいいのか」と途方に暮れる。
「予想できなかったのか」
こうした状況について、スタジオゲストの伊藤恒敏・東北大学大学院教授は、「200~300床くらいの自治体病院は医師が少なく経営も厳しい。『緊急の場合以外は来ないで下さい』というビラを市民に配るところもあるくらいだ」と警鐘を鳴らす。
地方病院の勤務医の減少を招く大きな要因になったのが、4年前に作られた新しい臨床研修医制度だ。
国谷裕子キャスターの「大学病院が(地方に医師を配置する)機能を失う事態を予想できなかったのか」という質問に、伊藤教授は「ここまでとは予測できなかった。(制度が)壊れたうえで後ろを振り返ったら、医師を配置するシステムが全くなかった」と答える。国の施策はこんなものかと思わせられる。
文
アレマ