<テレビウォッチ>大分県の教員採用試験をめぐる汚職事件。点数をかさあげして合格させただけでなく、合格点から減点して不合格にしていたことまでわかった。「とんでもないこと」と小倉智昭が目をむいた。
これまでの調べでわかったのは、2007年の採用試験で41人が合格したが、うち15人が不正。落ちた435人のうち10人が減点の結果の不合格だったという。
県教委の幹部は、大村正樹のインタビューに、「不正で採用されていたならば、取り消しも含めて見直さないといけない」というが、「不合格に対する救済措置はできないと思う」。また、不正採用者については、「まだ把握していない。報道だけでは答えるすべがない」などというばかりだ。「水増し合格かどうかを判断する材料はあるのか」の問いには「ございません」
小倉は、「食肉偽装と同じ。教員の偽装ですもの。最低でしょ、やってることは」
逮捕された県教委幹部のなかには、「これを断ったら出世に響く」ということで、手を貸した例があった、と大村はいう。また、他にもやっているから、長年にわたるなどで、教委も実態を把握できていないという。
さらに衝撃の数字。昨年と今年、新任の小学校教師は82人だが、うち約40人が不正合格者だというのだ。だから、現場でも父兄の間でも「あの先生は?」と疑心暗鬼。「子どもたちもわかっているから、だんだん教師をバカにするようになるかもしれない」と大村はいう。
しかし、いまのところ不正合格がわかっているのは3人だけ。あとの調査も是正の見通しも立たないのだという。
理由は、容疑者の供述だけ/本人は自覚がない(親が工作した)/試験の答案用紙をすでに処分しているーーなど。
「まずいと思って処分したんだ」と小倉。
大村は「2月に匿名で投書があったために、隠蔽工作をした可能性がある。3月に去年の答案用紙を処分してしまった」
佐々木恭子は、「本来合格だった人もわからない?」
「パソコンにあったものも、スペースがないと消去してしまった」(大村)
小倉は「ひどい話だね。でも、こういうことが起こる背景にも問題があるんでしょ」
諸星裕は、「少子化で、私立では6割くらいが定員割れのなかで、課目によっては教員の需要がほとんどない。これだけ需給のバランスが崩れると、不正が起こる余地がでてくる」
小倉は「金でなった先生に教わりたくはないよね」