「ゲリラ攻撃情報です」 って言われても…

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   <テレビウォッチ>おととい(6月30日)福井県美浜町で起こった「ミサイル警報」騒ぎで、住民はどうしていたか。

問い合わせてちゃ…

   要するにみんな逃げるでもなくあ然としていたらしい。「変な放送だなと思ってたんだ」「びっくりはした」と、のんびりいう。当たり前だ。のどかな美浜町にミサイルなんて、SFの世界でしかない。

   この全国瞬時警報システム(J-ALERT)、国民保護法に基づいて消防庁が設置を奨めているもので、警報の内容は、ミサイル・テロなどの武力攻撃、気象、地震など。危機情報はすべて消防庁に集められ、同庁が「警報に値する」と判断すると、衛星を介してJ-ALERTに伝えられる。

   その性能はかなりのもので、実験の結果では、情報が消防庁に入ってから国民に伝わるまでの時間は、武力攻撃で10.82秒、気象情報で8.69秒、地震では8.44秒だったという。

   が、普及は1800の自治体のうちまだ103で、この騒ぎで初めてシステムの存在を知った人も多いはず。美浜町のシステムは不具合があったため点検中で、いったん落として再度立ち上げたとたんに放送が流れてしまったのだという。

   笠井信輔は、「10秒で伝わっても、国民の方が『変な放送だなぁ』といってたんじゃね」

   あらためてその放送を聞いてみると、妙に落ち着いた声で「ミサイルが発射されました」といっている。たしかに不気味。「ゲリラ攻撃情報」というテープも流れたが、「……可能性があります。屋内に避難し、テレビ・ラジオをつけてください」というだけだった。

   笠井は、「テープがあるということは、そういう危険があるということ」と、まだバカなことをいっている。

   これは、役人が書いたスクリプトをアナウンサーが読んでいるだけ。さらには、あらゆる危機を想定して原稿を用意したにすぎない。だいいち、危機がありうるとしても、ではどうしたらいいかなんて、だれも本気で考えてなんかいない。

   東京では唯一の豊島区に聞くと、「頑丈な建物に避難して」。内閣官房は「堅牢な建物や地下街に避難しましょう」(ホームページ)。

   長谷川豊は、「福井県の美浜町のどこに地下街があるんだ」

   佐々木恭子は、「知ったところでどうしたらいいんだろうとなっちゃう」

   高木美保は、「美浜町で問い合わせが50件。豊島区だったら半端な数じゃなくなると思うけど、対応してくれるのかしら」

   笠井はまた訳知り顔で、「問い合わせてちゃいけないシステムなんですよ」

   「それは、作った側の理屈でしょう」という高木の方がずっとまとも。

   情報は自治体を素通りしているわけだから、問い合わせを受けても答えられるわけがない。「なんだ、なんだ」となるのは目に見えている。

   まだ、水害や地震なら国民も慣れている。が、ミサイルやテロなんて考えてもいない。要するに、内閣府と消防庁はシステムの設置が第1で、警報がでたときに何が起こるかなんて二の次なのだ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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