拉致問題 「米に解決してもらおうと思うのが間違い」

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   <テレビウォッチ>アメリカがきのう(6月26日)、北朝鮮に対する「テロ支援国家」の指定を45日後に解除すると発表した。核をめぐる6カ国協議の一環で、米政府は「最終的に北の核をなくすための第一歩」というのだが、問題は、これによって拉致問題がどうなるのかだ。

とってつけたようだ

   発表で、ブッシュ大統領は「このプロセスは拉致問題を置き去りにするものではないと、日本政府に約束する」と述べ、「娘を失った母親の話を聞いて胸が痛んだ」とわざわざ横田早紀江さんとの会見にまで言及した。

   しかしその横田さんは、「残念です。ブッシュさんの気持ちは変わっていないと思うが、裏切らないでくださいと」。家族会の飯塚繁雄代表も「話が逆で、テロ国家指定が前進の条件だった。これでカード失った」「われわれとは別の世界でことが決まる虚しさを感ずる」という。

   今回の決定は、北朝鮮が核計画を申告するのとひきかえ。計画は、核施設の無力化、開発停止にと進むステップとなるのだが、肝心の核兵器の廃棄にまでは踏み込めないでいる。

   重村智計・早大教授は「北朝鮮の核開発を止めた、という成果を残したいというブッシュの思惑だが、北の大勝利。国家予算と同じくらいの資金を確保できるのだから、これで生き残れる」という。この米朝の筋書きに、拉致問題は出てこない。

   先の日朝実務者協議で、北朝鮮は「再調査」を約束したが、これは米の「圧力」によるもの。日本政府は制裁措置の一部を解除する予定だが、過去の経緯からも、北朝鮮が本気だなんてだれも思っていない。まさに、「置き去り」の危機にあるわけだ。

   小倉智昭は、「ブッシュ大統領の言葉は、とってつけたようだ」

   諸星裕は、「アメリカは国内が優先してすべてそれで動いている。かつてリビアとの関係改善では、アメリカが直接接点をもっていた。が、北とは接点がない。新聞見てても北のことはほとんど出てこない。アメリカにすれば既定の路線。日本は拉致問題で期待しすぎた。アメリカに解決してもらおうと思うのが間違い」という。

   そもそも「テロ支援国家」の指定は、1983年のラングーン爆破事件、87年の大韓航空機爆破事件を受けて、88年になされたもの。とても、前進につながるとは思えない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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