<テレビウォッチ>飛騨牛をめぐる表示偽装で、「やっていない。従業員と工場長だ」と言い張っていた社長の本音のテープというのがあった。従業員にたいして「俺も謝る。売れと昔はいった」といっていた。
岐阜・養老町の精肉業者「丸明」の吉田明一社長(65)は、偽装疑惑が明るみに出た6月21日、「従業員がやった」「(辞めた)工場長が1人でやった」と責任を否定。反発した従業員が「あんたの指示でやったんやないか」と取材陣の目の前で言い合いになっていた。
テープは、同じ夜の従業員との会合での発言。「マスコミは肉のことも分からんでいろいろ言う。昔は売れといった。それは謝る」などと、偽装を指示したことを認めていた。
小倉智昭は、「俺がやったと認めたらこの会社はつぶれる。お前たちがやったことにしてくれ、会社はつぶれないで済むということじゃないのか」という。
レポートの平野早苗は、「従業員がやったことでも、責任をとるのが社長。これでつぶれたらどうなるんでしょう」。「つぶれる寸前までいってんじゃないの」と小倉は冷たい。
従業員の話では、この会社の仕組みはこうだ。
肉の買い付けは本社が行い、必ず社長が立ち会う。工場でこれを解体・保存する。次に小売店から注文に応じて精肉店でスライスにして、ここで等級をつけるーーここまでは偽装はない。ここで、社長が「指示」をだすのだという。
精肉は最上の5等級から1等級までに分けられる。岐阜県内で14か月以上肥育された黒毛和種で、3等級までが「飛騨牛」。2等級以下は「飛騨和牛」となる。社長の指示は「2等級をベースに3等級を混ぜろ」。できたパックは「飛騨牛」ということになる。
小倉は、「流通経路をカットしているから安くできるわけでしょう」
平野は同社の販売店から買ってきた肉を並べて、「安いんですよ」という。5等級でも100グラム700円だ。事実きのうのレポートでは、大勢来ている客の1人が「ここにくれば間違いないから」といっていた。
竹田圭吾は、「それをもっともうけようとした」
「ブランドに頼らないようにしないといけない」と小倉。
その小倉はきのうの番組で、「低い等級の肉でもおいしいという証明か?」と皮肉をいっていた。吉田社長が、「お客さんが知ってる」とうそぶいていたのも、自信のあらわれか。