<テレビウォッチ>投機マネーが招いた原油高騰の波がイカ釣り漁師の首を絞めている。漁をする際に多くの集魚灯を用いるイカ漁では、ふつうの漁に比べて3倍の燃料を使うのだという。
青森でイカ漁をしているある漁師の場合――1回、漁に出るとセリで7万円の値がつくが、燃料代が8万円、箱代と氷代に1万円かかり、2万円の赤字になり、出漁すればするほど赤字が膨らむ――これでは、「やっていられない」気分になるのもムリはない。イカ釣り漁の盛んな対馬付近でも、廃業する人が相次いでいるらしい。
このため、イカ釣り漁師は、18日、19日の2日間、初の一斉休漁にふみ切った。そして、18日、全国イカ釣り漁業協議会の漁師たちは農林水産省に乗り込んで、「われわれは、操業停止か廃業するしかない。生きるか死ぬかの瀬戸際だ」と述べ、「イカ釣り漁業の灯を消すな」と訴えた。
全漁連の試算では、重油価格が現在の1リットル100円から130円に上がると、570万トンの漁獲高が350万トンに激減し、21万人の漁師のうち6万人が職を失うそうだ。
こうした状況は当然、庶民の食卓を直撃する。専門家は、「仮に7月に(まぐろなどほかの漁の)一斉休漁があると、7割の魚が市場に出回らなくなる。一般家庭にかなりの影響がある」と語る。
みの「政策的に手を打つところまで来ているんじゃないですか?」
嶌信彦「日本だけの問題でない。世界中でストライキや暴動が起っている……7月のサミットできちんと議論して石油価格を下げないと世界的に食料危機が起こる」
みのによると、日本で年間1人が消費する魚類は、さけ、まぐろを抑えてイカが首位。
まぐろの価格も高くなっているようだし、そのうち、さけがトップに立つかもしれない。それもこれもサミット次第。議長を務める福田首相の手腕に期待したいところだが……。