番組の小さな国会に、ゲストの『残念なお兄ちゃん党』所属のタレント・千原兄弟が並び立った。「ここ数年、学校給食費を滞納してる親が増えてると知りました」。兄の千原せいじが、台詞をリアルタイムに読み取り、かつ読み上げるかのようにして話し出す。
さて、ゆゆしき給食費滞納問題を解決するマニフェストとは……「学校給食を廃止します!」。
我らが総理こと太田光(爆笑問題)も賛成に回ったが、その理由は給食費不払いとはあまり関係がない。「給食の時間に腹が減らない」「みんなでこれを食べろと強制されるのがイヤだ」そうだ。
ほかの賛成派のタレント(もどき)も、似たようなことを代わる代わる大声で話す。今国会は給食についての『あるある』話や、私怨、ネタ化した個人的体験を語る場と化したのだった。
せいじは意外にも!?グルメな一面を披露した。曰く、「パンはぱさぱさ。肉も何の肉やねん」などと給食がひどく不味かったと指摘。勤労感謝の日に学校で給食センターの人に感謝の作文を書くよう強要されたときに、「毎日給食作ってくれてありがとう。でもちょっと不味すぎる」と書いて先生に怒られたんだとか。
にしおかすみこは「給食に嫌いなものが多くて全然食べられなかった」。机の中に給食を隠して腐らせるなどのトラウマ体験を持ち、「給食さえなければ」そんな思いをしなくてよかった。
にしおかと正反対の恨みを持つのは秘書の田中裕二(爆笑問題)。「(小学校4年のとき)ボクは毎日給食をおかわりしたけど、ぜんぜん大きくならなかった」
ふだんは山本モナとともに控え室でお菓子を食べながら、総理の戦いをお茶の間ムードで『観賞』する役目の田中だが、今回は数合わせ的な理由からか、山本とともに賛成派として参戦。人数的に劣勢だった賛成派に貢献した。マニフェストの初回調査では賛成9対反対13。もしこの2人がいなかったら……せっかくの番組の仕掛けである『投票』への興味は完全に消え失せていただろう。
結局は田中参戦の甲斐もなく、主婦(母親)タレント、現役教師、国会議員らの反対で千原兄弟のマニフェストは最終的に8対14の大差で敗れ去ったのだった。
ボンド柳生