<テレビウォッチ>秋葉原の無差別殺傷事件。きょうは世代論を展開した。容疑者は1982年生まれの25歳。神戸の「酒鬼薔薇」事件(97年)、西鉄高速バス殺傷事件(2000年)と同じ世代だ。
この世代の呼び名も「キレる17歳」「無気力」「社会の犠牲」「希望のもてない」と散々。いままた、「ワーキングプア」が加わった。
小倉智昭は「格差が広がってる現実はあるんですよね。彼は負けた、また負けたと積み重ねた」という。
諸星裕が「競争社会を作れば勝者と敗者が出る。アメリカでは、いかに『良い敗者』をつくるかが、教育のモットー。グッド・ルーザーという」
番組が事件について同じ世代に聞いた。
「敵ですね」「考えられない」「バカだね」「殺人はいけない」「世代でいわれるのは嫌ですね」。ところが、同じ人間がこうもいう。「いつ転落するかもしれない。人ごとではない」「孤独感はありました」「環境とかは、かわいそう」
小倉は「われわれは小説読んで想像して育った。ファミコンのバーチャルで育つと違ってくるのかしら」
諸星は、「25の頃って、だれだってある。この世代だけじゃないと思う」
25歳の男女各100人に、容疑者の書き込みについて聞いた結果は、「理解できる99」「理解できない101」だった。理由のなかに「学校でも職場でも競争。心から信頼できる友人はなかなかできない。孤独を感じることがある」とあった。
佐々木恭子が「友だちじゃなくて、不特定に聞いた結果?」
大村正樹は、「そうです。きのうもいった、ネットの書き込みが心の支えになるという意味だと思います」「バーチャルでもうひとつの自分を作って、リアルの自分と連動させる」
「本当の友人ができない時代なんですか」(小倉)
「かといってネットに走るんですか。人と人じゃなくて」(前田忠明)
「わずらわしくないしね」と諸星。
「顔が見えないから本音がいえるかもしれない」(佐々木)
大村が、「大人がどう言おうと、ボクらはそれで育ってきたんだもん、という」
小倉は「しょうがないことなんだよ、とうのはあるでしょうね。我々が率先して引っぱってきたんだから」
じかに人とつきあうのは、時に苦しいもの。だが、それが最良の教育だ。ネットに逃げたら、すでに負けでいるのでは?