<テレビウォッチ>NHKのプレミアム10。漫画家赤塚不二夫を取り上げた。
26歳のころ「おそ松くん」でギャグ漫画に革命を起こした人だ。学者が登場して、おそ松くんは「人の本質をついた漫画」で、天才バカボンにでてくるパパのセリフ「これでいいのだ」は「父と子の親密性を描いたもの」と分析していた。
彼のギャグには温かさがあり、またプロダクションの分業化を始めたアイディアマンだという側面が描かれていた。みうらじゅんやしりあがり寿、松尾スズキなど多彩な顔ぶれが登場し、ニャロメと「対談」するなどドキュメンタリー風に迫っていた。
盛りだくさんだった割には、彼の型破りで面白い人物としての側面が描かれてなかった気がする。タモリと彼との交流は面白い話がいっぱいあるんだけど、タモリも登場せずがっかりした。
人生の前半は確かにまじめなアイディアマンだった。後半は酔っぱらいのエロオヤジで、普段から面白い人だった。2002年ごろに脳内出血で倒れ、今も植物人間状態なのだそうだ。もし、意識が戻ったら第1声になんと言うか。娘さんは「あ、オッパイだ」じゃないかと予想していた。そういう面白い人なんだ、というイメージをもっと出してくれればよかったのに、と思う。自分が知っているのが、酔っぱらいエロオヤジ時代しかない、ということもあるが、もっと彼のはちゃめちゃな側面を紹介してほしかった。
久しぶりに彼の話題について見ることができて、その点はよかった。うれしかった。ただ、力点の置き方がちょっと惜しかった。
ニャロメ これでいいのだと 目を覚ませ