秋葉原通り魔と「成績」の関係

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   日曜日の秋葉原歩行者天国を襲った通り魔事件。犯人像と犯行の動機を知るため、朝ワイドの老舗スパモニも総力取材である。警察経由の紋切り型で供される自供の言葉はもとより、中高の同級生、担任らの証言、小学校、高校の卒業文集などの証拠を収拾した。

アピールを感じる

   その結果、浮上した主なキーワードは「(殺すのは)誰でもよかった」「(犯人の)成績はよかった」「(犯人は)おとなしかったが、キレやすい一面も」。これらをもとにスタジオのコメンテイター陣が忖度してみせる。

   犯人像を最も詳細に分析したのは作家の吉永みち子だった。「成績のよかった」犯人の自己評価と現実のズレがあり、そこから巨大な負のエネルギーが発生したというのだ。「『オレってすごい奴だったのに、お前らが気付かないからこうなったんだぞ』というアピールを感じる」

   「まだまだ分からないことは多いんですが――」。この事件の放送残り時間もわずかとなったらしく、司会の赤江珠緒は最後のまとめに入った。ここで定例的に被害者へのお悔やみの言葉が出そうな予感がしたのだが、カメラに正対してキリッと面を上げた赤江は、紋切り型ではなく、番組批判的に被害者を追悼するのだった。

   「こんな身勝手な犯行を犯した人物よりも、亡くなった人の人生こそ、語るべき部分がたくさんあったんではないかなと思います」

   いきなりの良心の発露によって、番組的にはだいぶん後味が悪い締めくくりとなった。

文   ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト
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