「通り魔」なんて呼ぶな! 言葉が軽すぎる

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   日曜日(6月8日)の正午過ぎ、買い物客で賑わう秋葉原の歩行者天国を突然の凶行が襲った。7人死亡(男性6人、女性1人)し、10人が重軽傷を負った。

   『スッキリ!!』は、「秋葉原通り魔 確保の瞬間」というタイトルで、警察官がこの容疑者を路上で抑え込んでいる姿を克明に報じた。

   男(25)は、自動車部品会社で働いていたらしい=静岡県。見た感じは、眼鏡をかけた小柄なごく普通の男。

   しかし、人ごみの中を、刃渡り13センチのサバイバルナイフを腰だめにし、手当たり次第に腹部めがけて突き刺していったらしい犯行は、「通り魔」などという生易しいものでない。まさに白昼の殺人鬼そのものだ。

   男の出身地は青森県。小・中学校は成績優秀、スポーツ万能の子供だったらしいが、反面、キレやすかったと同級生。この時からサバイバルナイフを持ち歩いていたらしい。

   中学校の卒業文集には自己紹介の欄に、英語で自分の性格を「Person Crooked(ひねくれ者)」と書いていた。

   変化が顕著になったのは高校に入ってから。県内有数の進学校に進んだが、成績が下降し、あまり高校に来なくなった。酒乱の父親による母への暴力があったようだ。近所の知人によると、昨2007年暮れ母は家を出て行ったという。

   犯罪心理学者の作田明は「多くの通り魔事件がそうですが、思春期から20代において挫折して転落していく。しかし、自分が悪いのではなく他人や社会が悪いのだと思いこんで事件を起こす。今回はその典型です」と。

   ところで、今回の事件は、確認されたわけではないが、携帯サイトに以下の書き込みがあったという。

   「8日午前5:21」に「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います。みんなさようなら」

   コラムニストの勝谷が「調べてみたのですが、この後の続きが大事。時系列的に何度も書き込んでいる。それが彼の移動時間と一致する。ひょっとしたらという感じだ」

   続けて勝谷は「亡くなられた人たちは、年齢的にも、職業的にもごく普通に、まっとうな人生を送っていた人たちがウズに巻き込まれた。通り魔と呼ぶのを止めてほしい。台風が通り過ぎたような感じがする」と、タイトルに苦言を呈した。

   確かに、多発する無差別殺人に慣れてしまったのか、言葉の使い方が安易すぎる。

文   モンブラン
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