<ハンティング・パーティ>かつて戦場カメラマンのダックと共に、「最高の報道レポーター」として女、金、名誉を手にしたサイモン・ハント(リチャード・ギア)。だが、ボスニアのポリエからの「キレた」レポートをきっかけに、彼の権威は失墜していった。
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数年の月日が過ぎ、順当に出世していたダックと落ちぶれたサイモンは、ボスニアのサラエボで思いがけず再会する。そこでサイモンは再起をかけ、ダックにムスリム人の虐殺を指示した『フォックス』の「居所を突き止めた」と打ち明かす。サイモンとダック、それに父親が局の副社長である新米プロデュサーのベンが加わり、かくしてここに「ハンティング・パーティ(狩猟隊)」が結成されたのであった……。
利己的な思惑から「狩り」に参加したサイモンたちは、真実の裏側に触れるたび、ジャーナリストとしての使命に目覚め始める。特に父親を見返すために特ダネに飛びついたベンが、ドラ息子からジャーナリストの顔つきに変わって行く過程は、この映画の見所の1つだ。
3人は、フォックスを英雄視するセルビア人の警告を受けながらも、ついに彼と直接向き合うことになる。そののち、3人が取った行動はジャーナリストとしての一線を越えたものだった。サイモンたちの決断には観客の反応も賛否分かれるだろう。
だが、彼らはジャーナリストである前に血の通った人間でもある。戦場で戦っているのは兵士だけではない。サイモンたち戦場ジャーナリストも命がけで戦っているのだ。
ジャナ専 龍野
オススメ度:☆☆☆