臓器再生も臨床研究中
骨髄細胞をつかった足の血管再生治療は国の先進医療に指定されており、17の医療機関で治療がうけられるという。細胞治療に使われる細胞にもイロイロあり、最近は万能細胞が注目されるが、とにかく現在は骨髄細胞が代表格だそうだ。肝硬変になった肝臓など、臓器を再生する働きも期待され、ただいま臨床研究中だという。
気になるのは課題・問題点だ。この番組では、一見すると画期的な「対策・取り組み」が取り上げられても、番組が進むにつれて次第に問題点が明らかとなり、マイナスが積み重なって、最終的にはプロスとコンス(メリットとデメリット)がほとんど釣り合ってしまうような事態がよく起きる。
しかし、今回に限ってはデメリット――麻酔が必要、血管の状態がひどく悪いと効き目が薄い、癌患者には使えないなど――をメリットが大幅に上回っているようだった。超高齢化社会や食料高騰、地球環境など、「対策」できるのか不安な問題が多い「現代」のなかでは、明るい光が感じられた回であった。
ボンド柳生
<メモ:万能細胞>
人間のさまざま組織に分化できる細胞で、再生医療の切り札的存在として大きな注目を集める。従来研究が進んでいたヒトの受精卵から作製されるES細胞に加え、近年は皮膚細胞をもとに作製されるiPS細胞(人工多能性幹細胞)が脚光を浴びている。