「感動的な救援活動」とは 中国・四川大地震

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   中国・四川大地震の発生は5月12日。武装警察隊が昨日(5月14日)になって、ようやく震源地・ブン川県に辿り着いた。悪天候で出来なかったヘリによる救援物資の輸送も始まった。

   がけ崩れで道路は寸断、建物は崩壊…。『スパモニ」はトップニュースで、武装警察隊と同時に現地入りした地元テレビ局が撮影した悲惨な震源地の映像を流した。

   この映像を見て奇異に感じたことがある。

   救助活動に向かったはずなのに、手にしているのは長い柄のスコップ武装警察隊の群れ、大きな箱を両手に抱えている隊員も数人、手ぶらな隊員の姿も見える。

   報道では、交通、通信、電気、給水もすべて止まって「陸の孤島」と化したブン川県の住民たち。人口10万人にうち3万人が避難生活をし、6万人以上が安否不明という。当然、食料や飲料水を渇望しているはず。

   初めて救援隊が入るのに両手で箱、手にスコップだけとは???可能な限り救援物資をリュックサックに詰めるなどが普通ではないだろうか。

   この奇異な光景を解くヒントを与えてくれたのが、この後四川省の省都・成都市で取材中の記者のコメントだった。

   赤江キャスターが「人的支援を受入れない中国政府の方針の背景は?」に、現地の記者は「中国政府は、地震の初期段階で10万人の解放軍・武装警察隊を投入したのも、自前の部隊を使うことで、そのまま部隊を治安維持に発揮できると考えたのでしょう」。

   あくまで憶測だが、手にした長い柄のスコップもひょっとしたら、ことと次第によって騒乱鎮圧の「武器」に併用できると考えたのかも…。

   聖火リレーのスタートの時期に起きたチベット騒乱。まじかに迫る北京五輪。その騒乱の地で発生した大地震で、鎮静化へ向かっている騒乱が再燃しないとは限らない。

   罹災地で奮闘する温家宝首相、報道機関に「感動的な救援活動」を積極的に宣伝するよう指示する政府。中国政府の正念場が伝わってくる。

文   モンブラン
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