密漁組織の「獲物」呑み込む中国

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   水産資源保護のために様々な操業規制のもとで営まれている日本の漁業。この良質な漁場へ、寝静まる深夜、夜陰にまぎれて根こそぎ横取りしていく闇の密猟組織が横行している。

暴力団と韓国の2グループ

   この密猟組織の実態にスポットを当てた『クローズアップ現代』は、一般にはなじみのない海の上、しかも夜中の密猟が、水産ニッポンを守る零細漁民にとって死活問題であることを浮き彫りにした。

   が、取り締まる側の体制について、罰則強化(2008年4月1日施行の改正漁業法)と海上保安本部について触れただけだったのが残念。

   日本の沿岸で暗躍する密猟組織は、大きく分けると暴力団が絡む国内グループと韓国から出向いてくるグループの2つ。

   このうち国内の大掛かりな密輸グループが今年1月、島根県・浜田海上保安部によって摘発された。逮捕された19人の密輸グループ全員が佐賀県から出稼ぎにやってきた男たち。

   うち15人は無職の若者たちで、背後にいる暴力団が仕事のない若者たちを密猟に引きずり込んだらしい。

   しかも、高性能エンジン2基を装備した密漁船は最高時速73キロに達する高速船。密漁したアワビやナマコなどの鮮度を保ったまま運送する特殊トラックまで用意していた。

   一方、宮城海上保安部がやはり今年1月、石巻で摘発した密猟グループは、逮捕した10人中3人が暴力団員だった。密漁したアワビやナマコを売捌く販売業者も逮捕され、闇の流通ルートの実態も明らかになった。

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