「スポーツを通じて世界に平和を」と願うオリンピックの祭典。その北京五輪の聖火リレーに、また1つ波紋が起きていると『スパモニ』が取り上げた。
聖火リレーは、開催国の国威発揚のためだけにあるのか? エベレスト登頂の貴重なベストシーズンを足止めされている他の登山チームからブーイングが出ているのだ。
3億円の事業費を費やした聖火のエベレスト登頂は、5月8日成功し、聖火は世界最高峰の頂上で高く掲げられた。このビッグイベントの様子は、中国では6時間かけテレビで生中継されたという。
ところが、中国国内の興奮の裏でハラハラ、ヒヤヒヤしながらむかついているのが、「今年こそ登頂を」と入山していた40チームの登山家たち。その中には世界最高齢登頂に挑戦する冒険家、三浦雄一郎(75)も。
全員が、規制解除の10日までベースキャンプ(5360メートル地点)で足止めを強いられているのだ。
というのも、エベレストは登頂できる時期が限られている。4月までは吹雪で荒れ、6月になるとモンスーン(季節風)が吹き天候が悪化する。登頂できるのは5月に限定されるという。
エベレスト登頂の経験のある登山家竹田洋岳は「一般的に言ってすでに、(今年)第一の登頂者が出てきていい時期。そういう意味ではチャンスが減ってしまっているのは確かだ」という。
その三浦さんから聖火登頂成功の後にコメントが。「これでやっと我々のエベレストへの道が開けたことになります」。あと3週間。酸素の少ない高度に馴れるため登ったり降りたりを繰り返す作業を含めるとギリギリか?
「中国人による偉業達成」のために、外国人登山家やネパール・シェルパ族の助けも断ったという聖火の登頂。オリンピックの主テーマである「融和の精神」そっちのけで、国威発揚1点張りだ。
ところがジャーナリストの大谷昭宏が「聖火リレーは、少数民族の融和の手段であることも確かですネ」と。
このちょっとズレのある発言に小木逸平アナが「しかし、中国の威信がいろいろなところで軋轢を生んでいるのも確かですよ」と修正。
同志社大教授、村田晃嗣が「中国の発想は70年遅れている。国内は盛り上がるだろうが、世界じゅう迷惑かけてシラけっちゃっている」と怒った。