映画「靖国」の公開騒ぎ 悪いのはビビッた映画館か

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「レッテル張ったら話が進まない」

   配給会社などはがんばった。4月23日の一般試写会には、定員200に1500の応募。右翼団体向けの試写会とそのあとの討論会。「反日だ」「いや違う」というなかで、中止を求める声は消えた。とうとう5月3日には渋谷で公開。これまでに、当初の8館を上回る30館の公開が決まっている。

   吉岡も「結果としてよかったが、最初のところが問題だった。(反日という)レッテル張ったら話が進まない。政治家でもメディアの人間でも、プレーヤーであって観客じゃない」という。

   まさしくそこだ。とくに稲田衆院議員だろう。番組は、同議員の「助成金の妥当性を勉強するため、映画の内容とか公開を問題にしたことは一度もない。それが検閲というような捉え方をされたのは、残念だし遺憾です」というコメントを出した。これがNHKの限界なのだろう。

   残念でも遺憾でも、騒ぎが大きくなったときに説明を十分にしようとしなかったのは、公人としてはアンフェアと言われても仕方あるまい。ざっと見た限りでは沈黙しているように見えた。週刊新潮だけでは、3か月間も騒ぎにならなかったのだから。ひょっとして、これを閉塞感といったのか?

                                        

ヤンヤン

 

<メモ:映画「靖国」>
1989年に来日した中国人李イン監督が終戦の8月15日の靖国神社を、10年かけて撮ったドキュメンタリー。軍服で参拝する人、刀作りの職人、抗議する人たち……さまざまな光景をナレーションなしで伝えている。

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