中国「パンダ外交」に踊る日本

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   体調を崩して公開が中止されていた上野動物園のパンダ、リンリンが死んでしまった。人間でいえば70才くらいだったとか。残念なニュースだが、そこでがぜん注目されるのが、中国の胡錦濤主席の来日。新たに2頭のパンダを日本にと、調整が進められているらしい。

外交の切り札は……

   笠井信輔アナが「得もりボード」で「中国の巧みなパンダ外交戦略」をとり上げた。

   笠井によれば、中国のパンダ外交は3つの時期に分けられるという。(1)プレゼント外交の時代 (2)トレード外交の時代 (3)レンタル外交の時代 とのこと。

   1972年、田中角栄首相のときに日中国交回復が実現し、その記念にカンカン、ランランが日本に贈られたようなケース。これが(1)。ところが、ワシントン条約成立に伴って絶滅の恐れのある動物の輸出入が難しくなり、繁殖目的などのために各国間でパンダをトレードせざるを得なくなって(2)に。そして現在は、例えば日本のようにパンダを国民に見せたい国と、そこに貸して収入を得る中国の利害が一致して、パンダ・ビジネスが展開される(3)になっているのだという。

   リンリンを除いて、日本にいる8頭のパンダは、いずれもレンタルされてきたようだ。リンリンは唯一、日本に籍があったのだ。その死で、浮上するのが「パンダ戦略」である。

   中国には餃子、オリンピック、環境問題、日本にはガソリン、年金、医療と、困難な状況が横たわるなかで、「パンダを貸してくれれば何かいいことが起こるかもしれない」(笠井)というわけである。「つがいのレンタル料の1億円をどこが出すのか、都の動物園だから東京都が出すのか、話題になりそう」(同)。

   「外交の切り札はパンダしかないみたいな感じ」(小倉智昭)というのが、どうにも情けない。 

文   アレマ| 似顔絵 池田マコト
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