石原さとみ、仲間由紀恵には勝てないのか(パズル)

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   大ヒットした「トリック」の蒔田光治(他)の脚本なので、大いに期待して見た。不気味なエンドロールといい、荒唐無稽な土俗趣味といい、あえて「トリック」そっくりに作ったようだ。だが、まだ2回目で調子が出ないのか、あんまり面白くない。

   何が「トリック」と違うのか? ズバリ、石原さとみには、仲間由紀恵のすっとぼけた明るさがない。たしかに石原さとみは、かわいい顔の底にふてぶてしさを隠し持っている。それを生かそうとした意図はわかるが、コミカルな役をこなすには演技が暗い。それにまだ21歳だ。「性格の悪い三十路女」という設定は無理なのでは? それを承知で面白さを狙ったのだろうが、今のところ、狙いは当たっていない。

   性格の悪さを出すのにドスをきかせているつもりか、低い声で口をあまり開かずにしゃべるので、セリフがはっきりしない。表情も変化がなく、ただふくれっ面をしているばかり。

   つい、仲間由紀恵と比べてしまった。ちょっとかわいそうだったかな。ずるがしこいくせにマヌケなところが愛嬌になっている、という感じがもっと出せればいいと思う。演出者は「トリック」と違うが、もっと思い切った演出をしてほしい。

   話の方だが、鮎川(石原さとみ)は名門男子高校に赴任してきた英語教師。生徒は優秀で、先生の鮎川よりずっとレベルが高い。なにせ、鮎川の教え方はメチャクチャ。「overcome」は「大ばかもん」と教え、「大ばかもん!と叫んで相手を圧倒するんだ。ほら、言え、overcome 大ばかもん」。生徒たちはあきれ返りながら、しぶしぶ「overcome 大ばかもん」。これには笑った。

   生徒3人組、真一(山本裕典)、明(木村了)、善雄(永山絢斗――瑛太の弟だって。ちょっと似てるね)は、ゆうこ(岩田さゆり)たち女子高生3人組にいつも利用され、手玉に取られている。この女子高生たちが、どうも見た目がイマイチかわいくない。これで男の子たちが引っかかるか?

   とりあえず、古い屋敷の密室殺人とか、人里離れた神社の動く殺人岩とか、おどろおどろしい道具立てとトリック暴きを楽しんでみよう。

   第2話で、カリスマホストからタレントになった城咲仁が、大岩の下敷きになって無様な死体姿をさらす役で出ていた。セリフはほとんどなかった。この人は前にもチャリティ番組か何かで、どこかの途上国で泥だらけになって井戸掘りをしていた。キャラを変えたのかしら。

※パズル 金曜夜9時・テレビ朝日系
文   カモノ・ハシ
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