『山口補選 自民惨敗、党内混迷に造反も!?』と題し、補欠選の敗因と政府・自民党が4月30日に予定しているガソリン暫定税率復活法案の再議決をめぐる動きを取り上げた。
番組ではまず、選挙戦を振り返り自民の敗因について言及した。際立ったのは攻めの民主党と守りの自民党の違い。
民主党が後期高齢者(長寿)医療制度、道路政策、消えた年金の3点セットで政府・与党を攻撃。対する自民は、この正面切って3点セットには触れず、もっぱら地域活性化で逃げた?こと。
また、自民党は福田首相をはじめ安倍前首相など有名議員が続々現地入りしたものの、福田首相が「少しぐらい負担してもいいじゃないのというのが今度のアレ(後期高齢者医療制度)でした…」などと釈明。一方、民主党は「草の根的に一人ひとりはいずり作戦」(選対責任者)で3点セットを訴えた。
政治ジャーナリストの田勢康弘も「年寄りをいじめているという分りやすい民主党の攻勢が功を奏したと思う。有名議員を送り込んだが、有名であればいいのか?まじめに取り組んでいないのではないか、と受け止められた」と手厳しい。
で、惨敗しても政府・自民党は4月30日のガソリン税再議決に踏み切るのか。もし再議決されれば5月1日以降、原油高騰も加わって1リットル=160円の大幅値上がりになるとの予測もある。
しかし、番組に生出演した自民の片山さつき衆議院議員は「途中で止めた水道の蛇口をもう一度流してやらないと地方の自治体から民間におカネが流れない。不人気でもこれは今回、戻さないと」と、元大蔵官僚らしい意見を。
もっとも、同じ自民党内でも山本一太・参議院議員ら若手議員がこの再議決をめぐって執行部に造反し始めている。背景は、5月12日以降に政府・自民党が予定しているもう一つの再議決。
再議決を目論んでいるのは、今後10年間、ガソリン税収入を道路整備に充てるという『道路整備特例法改正案』だ。再議決は、福田首相が先の記者会見で「09年度からガソリン暫定税率は一般財源化する」と確約したのとは矛盾する。
これに山本議員は「国民に約束したのだから、一般財源化を担保するために閣議決定などすべきだ。でないと国民は納得しない」と、反発しているのだ。
作家の吉永みち子も「来年度から一般財源化するというのも信用できない」と、後から後からボロが出て取り繕うだけが精一杯の自民党への不信感があらわ。