硫化水素によるとみられる自殺の巻き添えで、住民21人が病院に搬送され50人が避難する騒ぎが高知県であった。
練炭火鉢に代わる、新手の方法をネットで見て死に急ぐ人が、今月4月だけで30件にのぼっているのだが、抑止の方法はないとか。
事件は、4月23日19時50分ごろ、同県香南市の市営住宅で「異臭がする」との110番通報があった。警官が駆けつけたところ、3階の部屋で14歳の女子中学生が倒れており、間もなく死亡が確認された。
入り口ドアには「ガス発生中」の張り紙があり、部屋にはトイレ用洗剤のボトルが置いてあった。
『スパモニ』の調べでは、硫化水素系自殺は4月だけで東京(6件)、京都(4件)など北関東以西で合計30件起きている。駆け付けた警官や消防士、付近の住民は、のどが痛くなったり、頭痛がしたりと2次被害は計り知れない。
ジャーナリストの鳥越俊太郎は「明らかにインターネットで情報を見た連鎖反応、練炭自殺に変わる方法でまるで流行のようだ。社会が病んでいるとしか思えない」と。
確かにネットで検索すると……。「薬屋で簡単に買える2種類の液体の原液を、狭い密閉区間でただ混ぜるだけ。一気に吸えば、一瞬でノックダウン」など、こと細かに自殺の「手助け」が書き込まれている。
一体どういうつもりで書いているのか。病んでいるというより異常としか思えないこの「書き手」を特定し、ネットを正常に戻すことが先決と思うのだが……。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト