4月20日に北京で行われたプレ・オリンピックのマラソンの試走で降った雨は、北京市当局が人工的に降らせたものだった。これを伝えた読売新聞の記事をテリー伊藤が「スッキリタイムズ」で伝えたのだが、これがとんだぴんぼけ。
そもそも北京発の記事そのものがにえきらない。北京当局は五輪の開会式と閉会式を晴天にするための実験の一環で、化学物質入りのロケットを雨雲に打ち込んで雨を降らせている。当日は今年最高の31ミリの降雨があり、「軽微汚染」状態にあった北京の大気が、20日は「良」、21日は最高の「優」だったと伝えている。
テリーは「日本人選手は着ていたものが真っ黒になったといってる」といったのだが、話はそこからそれて、「それよりも路面が固かった。北京は戦車が走れるように固いんです。足を痛めますからなんとかして欲しい」となっちゃった。北京の道路が固いなんてのは今更ニュースじゃない。
それより、「軽微汚染」の大気に雨を降らせたらどうなるかだ。雨は大気中の煤塵をたっぷり含んで降り注いだ。だから着ているものが「真っ黒になった」のだろう。その雨の中をマラソンした選手たちが吸い込んだ空気はどうだったか。煤塵は少なかったかもしれないが、マラソンなのだ。吸い込む量は並みじゃない。
別の局の番組で、当日の北京をルポしていた松岡修造は、雨が降る前の北京の粉塵の量は「東京都心の3倍」といっていた。「陽が照っているのに空が青く見えない」とも。
北京当局が20日に雨を降らせた理由は定かでない。が、翌21日の状態が「優」になったのなら、なぜ前日に雨を降らせなかったのか。気象状態がそうせざるをいなかったのか。追及してほしいところだ。
テリーはこれに気づかず、なにかとうるさい宮崎哲弥もなぜか、口をはさまなかった。
雨の中をいつもながら苦しそうに走る土佐礼子の映像が、いっそう痛々しく見えた。あれら選手たちは、モルモットだったのか?