中国が日本の良質な資源ゴミを高値で買い取るため、日本のリサイクル・システムが危急存亡にあるという。このまま市場に任せ、せっかく培った日本のリサイクル・システムを放棄していいのか、と問いを発した。年ごとに激しくなる中国との「資源ゴミ獲得戦争」の背景にあるのは……。
日本は資源ゴミについて、あくまでゴミという発想が根強く残る。対して「資源の塊」と見て国家挙げて世界中から必要なゴミを漁る中国。この価値観の違いが大きく影響している。
中国輸出へ切り替えた業者「ボーナス、バーンとアップ」
番組はまず古紙の問題を取り上げた。
東京・銀座。中国の古紙専門商社の女性社長がこの一等地を拠点に毎日、月間1万5000トンを目標に、古紙回収業者の間を走り回っている。
一方、この道40年という国内の回収業者も、数年前に中国への輸出に切り替え、今は回収古紙の8割以上を中国へ送っている。この会社の社長は「銀行への借金も返し、従業員の給料、ボ-ナスをバーンとアップした。皆喜んでいるよ」と屈託ない。
なぜ、中国は古紙を高値で、そんなに買い漁るのか? 実は、古紙を再生加工した製品の主な取引先は、日本や欧米の大手メーカー。メーカー系列の工場が中国で生産したパソコンや電化製品の包装箱用に使っているのだ。
文
モンブラン