ネットを見ていると、革新的な、ユーザーの度肝を抜くようなサイトに出くわすときがある。こちらからの操作にインタラクティブに反応し、見る者を飽きさせないサイト。そんなサイトに出会う度に嬉しくなる。今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」ゲストは、そんなサイトを生み続けるウェブデザイナー・中村勇吾。
企業のウェブサイトに求められること。それは万人が理解しやすいということ。企業にとってウェブは情報発信の場であり、知りたい情報を簡単に引き出せるようあらゆる工夫がなされている。だが、あらゆる企業が同じような視点に立ってサイトを構築するため、同じようなデザインのサイトが乱立する。これでは面白味に欠ける。
中村の作り出すサイトは、それらとは全く次元が異なる。中村はウェブを"新しいコミュニケーションの舞台"と考え、見る者が気持ちいいと感じるサイトを設計する。NECのエコ特設サイト をはじめ、UNIQLO 、特に変わったサイトでは amaztypeなど、見る者の印象に残り、新鮮な気持ちにさせてくれるサイトばかりだ。万人が扱いやすいサイトではないが、圧倒的な「個」を感じる。実際に操作すると気持ちいい。
革新的なサイトを生み出すことは、もちろん容易ではない。プログラムに微妙な修正を加えながらサイトを組み立てていく。もちろん徹夜も日常茶飯事だ。「何回試行錯誤したか。自分の中でいかに試行錯誤をできるかっていうのはすごく大事にしていますよね」。中村は試行錯誤を楽しみながら、よりよい作品へ仕上げていく。
人の作品の模倣をすれば、それなりの物ができあがる。しかし他人の後を追ったところで、革新的な作品は生まれない。パイオニアがパイオニアであるための大変さを感じた放送だった。