打ち合わせのため、久しぶりにTBSに行ったのだが、浦島太郎になったような気分だった。赤坂Sacasが完成し、街並みが一変していたのだ。長年にわたる工事で、シートに覆われていたTBS周辺は、ベールを脱ぐと、新しい街に生まれ変わっていた。
そう、まったく違う、垢抜けた新しい街、赤坂Sacasの誕生だったのだ。レンガ風でヨーロッパの街並みを再現したような赤坂Sacasは、TBSの社風(?)なのか多少アカデミックな印象を受ける。
フジテレビ、日テレ、テレビ朝日と続き、テレビ局含めた街の再開発が続く。視聴率低迷が続くTBS、これが局のイメージアップに繋がり、視聴率もアップするのだろうか? 赤坂Sacasには、ノーブルな雰囲気のなかにもうっすらとしたたかさとエグさがにじみ出ている気がしてならない。
しかし、生まれ変わった赤坂を見て、テレビ局もアミューズメント化しないと生き残っていけない時代なのだと改めて思った。
そんな事をぼんやり考えながら、打ち合わせまで、近くのマックで100円コーヒーを飲みながら待っていた。
すると、隣の男の話し声が耳に入った。
「あのさ~、ビル買わない?15億なんだけど。」
なんなんだ、この会話は?
15億って、15億円ですよねぇ、当たり前だけど。あるところには、あるのかしら~。
ケータイで15億円ビル売買話をしている男。
その男が飲んでいたのも、100円マックコーヒーだった。
視聴率低迷であえぐTBSが多額を投じて行った街の再開発、そして15億円ビルの売買話を100円マックコーヒーを飲みながら話す男。
なんとも滑稽な光景だった。