「8時またぎ」ボードの最後は、「かなり次元の違うニュースです」というみのもんたに、スタジオが笑う。「33年の時を超えて帰ってきた『およげ!たいやきくん』」
そう、あの頃、この歌を聴かない日はなかった。子門真人の耳障りなほどの声量と素朴なアニメ。「まいにち、まいにち」は、オリコンチャート11週連続1位になった。しかし、ベトナム戦争が終わった年で、ロッキード事件で田中角栄が逮捕される前年だ。それが、なぜいま?
きっかけは、去年から今年はじめにかけて、全国のゲームセンターで起きた現象。例のクレーンゲームでつり上げるぬいぐるみに「たいやきくん」を加えたところ大当たり。10万個で「ヒット」といわれるところを、30万個売り上げたのだ。
これを受けて、シングル盤をCDにかえて、デザインもおまけのぬり絵もそのままに再発売された。すると発売から1週間、オリコンチャート(3月17日付け)で32位に入った。50位以内に入ったのは、実に31年9か月ぶりだった。
「およげ!たいやきくん」は、発売以来455万2000枚を売り上げ(オリコン調べ)、先月「日本で最も売れたシングル・レコード」として、09年版ギネス世界記録に認定されたばかり。リバイバルのオリコン入りで、さてどこまで伸びるかと期待がかかるというわけだ。
町の声を聞いても、子どもから中年、初老の世代まで、知らない人はいない。なかには堂々と歌う人まであった。そのビデオを見るスタジオの面々も、なんとなくなごんでいる。
みのは、もちこんだぬいぐるみを前に、「最近のたいやきくんは毛が生えてる」と「前髪」みたいなところをなで、CDのデザインを「全く同じです」といったところで、また時間切れ。
硬派の反応が見たかったのに…。