ロス疑惑映像で分かる「報道の自由ってこの程度?」

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   「ロス疑惑」の殺人(共謀?)容疑で、サイパンで拘留中の三浦和義氏(60)の3回目の審問がきょう(3月3日)午前、開かれる。週末には弁護士も決まって、やれ腕利きだとかスポーツマンだとか、メディアはまた話題を求めている。

どうです?

   焦点は、身柄の移送をサイパンの裁判所が認めるかどうか。日本で無罪が確定したものを再度裁けるのか(一事不再理)、それを廃止したカリフォルニア州法改正は無罪確定のあと(不遡及)などの問題がある。

   福島瑞穂・社民党党首はさすが弁護士。「国際刑事裁判所規定の20条で一事不再理が原則‥‥」とペラペラ。「福島さんはどうです?」とみのもんたに聞かれると、「日本で確定している無罪は尊重されるべき。日本の司法をなめるなと‥‥。日本には共謀罪がないので、アメリカで裁くんだというのは、違うと思う」

   一方ロスでは、元ロス市警のジミー佐古田氏が会見して、「わたしの友だちじゃないが、実行犯はわかってる」といったり、話がきわどくなってもきた。しかし、それも移送ができてからの話で、それまでにはかなり時間がかかりそうだという。

   それよりも、この日画面に流れた前回の審問の映像で、何か気づかなかっただろうか。赤い拘留衣を着た三浦氏が裁判所内を移動するときの姿だ。警護員に守られて静かに歩いていく。そう、テレビカメラの押し合いへし合いがなくなったのだ。

   カメラが揺れないから映像も鮮明だ。これは2月27日、判事がわざわざ日本の報道陣に向かって「撮影したり、何か聞いたりするのは構わない。ただ、群がって、警護職員の邪魔をしないでほしい。それはパパラッチ行為だ」と戒めた結果だ。

   「なんだ、やればできるじゃないか」--いわれなければできないのが情けないのだが、スタジオではだれもこれに気がつかない。要するに、揺れていようが、見やすかろうが、どうでもいい映像だったことの証明だ。

   かつて三浦友和が「被写体」という手記のなかで、山口百恵や子どもを追い回すカメラ・記者を、人権擁護局へ訴えた件があった。それでぴたっと止んだのを見て、彼は「報道の自由とは、その程度のものだったのか」と書いた。これは鋭い。

   そう、押し合いへし合いは、その程度のものなのだ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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