東北地方ではポスター絡みの騒ぎがよく起るようだ。「セクハラか、ワイセツか」で話題を集めた「蘇民祭」ポスターに続いて、今度は東北農政局が40万円かけて3万枚つくったポスターが問題になっている。
「米の作りすぎは、もったいない! 米の過剰作付けは、資源のムダづかいです」と謳ったポスターに、東北の農業団体が激しく反発し、配布の撤回を求めたのである。
佐藤長右衛門・東北農団連会長は「40数年間、米作りをしてきたけど、農政局にタテついたことはない。しかし今回、国産米の生産を減らすために『資源のムダづかい』という過激な表現をしたことは許せない」と怒りを隠さない。
これに対して農政局の言い分は、「過剰気味の米の生産量を減らして、自給率の低い大豆、小麦へと生産調整を図ってほしい。水田農地を有効に活用してほしい。資源と表現したわけですが、水田ですね。今の水田のつかい方はムダづかいではないですか、と訴えた」(田中宏樹企画調整室長)
スタジオ陣も農政局に噛みつく。
森永卓郎「安いお米をもっと食べて自給率を上げるのが本筋。米を粉にすればメンもケーキもパンも作れる」
萩谷麻衣子「水田を減らしても、全部が大豆、小麦につながるわけじゃない」
鳥越俊太郎「日本の農家は米作りで成り立っている。農業の基本だ。余ったらODAの現物支給として、世界中の飢餓地帯に配ればいい。お米作りは食料自給率を保つ最後の生命線だ。それを減らすのは農政の基本精神に反する。ハラたつ」
農業専門記者を目指したというだけあって、鳥越の言は熱っぽかった。
農政局は、今のところ撤去の予定はない、という。