「三浦和義容疑者」という名詞が戻ってきた感じがする。「海外出張中」(本人の留守番電話応答)のサイパンの空港で、ロサンゼルス市警によって逮捕されたニュースは、かなりのオドロキで、「寝耳に水」(日本で逮捕された当時の警視庁捜査一課長)だった。殺人と共謀の容疑である。
当番組は「総力取材」と称してたっぷり45分扱った。大半が「疑惑の銃弾」と騒がれたころを中心とした、これまでの映像である。起訴されるなり、保釈されるなり、なんらかの決着を見るまでは、これから先、また何度となく流されることだろう。
容疑者本人ならずとも、「日本で無罪が確定しているのにナゼ?」という気がしないでもないが、「日本の裁判制度は属人主義だが、アメリカは属地主義なのでアメリカも裁判権を持っている。殺人事件の場合、アメリカには時効がない」(藤本哲也中央大学教授)とのこと。
容疑者の担当弁護士は、アメリカ行きに注意を促していたようだが、「本人はサイパンやハワイへ何度か出かけていた」(友人の高須基仁モッツ出版社長)らしい。昨2007年暮れには高須社長に、「真犯人について進展があったのでロスに行ってくる」と、電話してきたともいう。
事態が急展開したのは、「新証拠」が出たからではないかと見られている。藤本教授によると、それは「(裁判で焦点となった)氏名不詳の第三者(共犯)が特定された、凶器の発見があった、発達したDNA鑑定で新しい証拠が見つかった」が推測されるという。
宮川俊二「アメリカでは、司法取引で捜査協力させることがある。それによって第三者が出てきた可能性は?」
藤本「あり得る」
赤江珠緒MC「日本側からの捜査資料の提供は?」
藤本「裁判に提出した捜査資料は出せる」
発生から27年、事件は蒸し返された。「ロス市警は諦めていなかった」(赤江)のである。