イージス艦衝突事故と上野のホームレスとの「接点」

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   イージス艦「あたご」と衝突して沈没した漁船「清徳丸」の2人はいぜん行方不明。父と父を助ける息子と、地元では「親子船」と呼ばれ、近年では少なくなっているのだそうだ。漁船の千切れた船首と船尾は2月20日朝、タグボートに曳かれて館山へ向かった。

聞けば聞くほど、つらいニュース……

   この日の報道は、一斉に原因究明だ。漁船の千切れ具合、操舵室がなくなっていること、「あたご」の船首についたキズ、「あたご」乗組員の報告などから、本来回避義務のある「あたご」の、漁船発見が遅れたことは間違いなさそうだ。

   荒俣宏が、「99点でもダメですからね。100点でないと」という。毎日新聞の社説なんか「どこを見張っていたんだ」と手厳しい。1988年の潜水艦「なだしお」と釣り船の衝突事故の教訓が生きなかったとの指摘もある。

   一方で、最新鋭の電子機器の塊のようなイージス艦が、「漁船も発見できないのか」という疑問が残る。「ハイテクの死角」なんて報ずるところもあった。

   スタジオで、元海上自衛隊司令官の山崎真氏と元海上保安庁の増田正司氏が解説した。

   「あたご」が漁船を発見して全速後進をかけたのが、衝突の1分前だった。海上衝突予防法では、漁船を右前方に見る位置にいた「あたご」に回避の義務がある。

   「1分前ということは、距離300メートルですから、もう避けられない。カジも効かない」(山崎)

   「衝突の4割は人為的ミスが原因。その8割が相手船の発見の遅れです」(増田)

   行方がわからないのは、吉清治夫さん(58)と長男の哲大(23)親子。父の治夫さんは15年前に脳梗塞で倒れたが、家族のためにその後も漁を続けていた。これを見た哲大さんは高校を中退して、5年前から父を手伝うようになったのだという。

   また、哲大さんは年に何度か、上野のホームレスの人たちに、「金はないけど」と、魚を届けていたという。家族は3人。この事故で、母だけが取り残された。

   みのもんたは「聞けば聞くほど、つらいニュースになっちゃいましたね」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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