東京・足立区で起きた無理心中事件の加害者について、昨日(2月12日)のコメンテーター、大澤孝征弁護士は「初老期うつ病ではないか」とした。では、2006年、渋谷で夫をバラバラにしたセレブ妻、三橋歌織被告の場合は? 凄惨さは負けず劣らずである。
きのう行われた第7回公判の模様を報告する立花裕人リポーターによると、裁判の最大の争点は「歌織被告の責任能力の有無」だという。法廷では、検事の質問に被告が答える形で、殺害現場の状況が再現される。
検事「ワインボトルで頭のどこを殴ったのですか」
歌織「右側の耳のあたり、こめかみの後ろ…」
検事「何回ぐらい?」
歌織「回数はいっぱい…」
↓
検事「遺体切断の順番は?」
歌織「頭部、左手、右手、それから体を切りました」
このあと、下半身は近くの空き地、頭部は町田市の雑木林、右腕と左手首はゴミ袋に入れてゴミ捨て場にと、それぞれ捨てている。
まるでホラー映画だ。被告は「検事の厳しい追及にも落ち着いて手ぶり身ぶりを交えてよどみなく理路整然と答えていた」(立花)そうである。
検察側と弁護側の主張のポイントは、隠ぺい工作に関するもののようだ。
両手切断は、検察側「夫の指紋、焼けど跡の隠ぺいを図った」、弁護側「運ぶためのキャリーケースに入らなかったから」。部屋のリフォームは、検察側「犯行現場隠ぺいのため」、弁護側「怖くてしようがなかったから」。
鳥越俊太郎「弁護側は情状面で争うつもりだろう。検察が、計画的で悪質な犯行だと立証しようとするのに対して、弁護側は、夫のDV(ドメスティックバイオレンス)が怖くてやむにやまれずやったといって、裁判官の心証を少しでも良くしようとする」
最後に、裁判長が歌織被告に向かって、「怖くてしかたがないという気持ちと、ワインボトルを振りおろす気持ちがつながりませんね。殴って死なすより、あなたが家を出ていけばよかったではないですか」と質問したが、答えはなかったという。
次回の公判では精神鑑定医2人が証言に立つ予定だ。