3連休明けのトップニュースは東京・足立区で起きた、52歳の男による無理心中と思われる事件。機械工業自営の男がナタで、母(85)、妻(49)を殺し、二男(15)の後頭部を殴って、両手首を切断したというものである。
病院に運ばれる途中、二男は「おやじにやられた」と言ったという。その二男も意識不明の重体に陥った。大学入試のため、朝、出かけた長男(18)が不在中のことであった。
近所の人や、男の仕事上の関係者は、「まじめで温厚」「仲よさそうだった」「奥さんは優しい人」「お金のトラブルはなかった」と、意外そうに語る。
だが、「経済状態は苦しかったようだ」と、原元美紀リポーターは伝える。
二男の同級生の話では、4年前、給食費を払えず給食を食べていなかった、毎日同じ服を着ていた、修学旅行にも参加しなかった二男の姿を覚えているとのこと。
血染めの便せんに「母親だけを連れて行くつもりだったが…みんなを守れなくて…」と書いた遺書が残されていた。
若一光司「経済的にひっ迫していたという潜在的事情に加えて、突発的なもめごとが起こったのではないか。衝動的に処罰意識にかられてやった気がする」
宮崎美子「家の人に殺されるとなると、身を守るすべがない。加害者は、彼なりに家族のことを考えていたのだろうけど、むごい、卑劣な犯罪で、同情できない」
大澤孝征「初老期うつ病だったのではないか。まじめなほど抜け道がなくなって、心身的にバランスが崩れた追い詰められた状態で犯行に及ぶんだけど、自分の凶行に驚愕してパニックになって、何をしているか分からなくなってしまう」
若一「50代は初老期うつ病になりがち。むずかしい世代だ」
まじめ過ぎても生きて行けない、といってずぼらでもダメ、人間って厄介な生き物である。