「再就職詐欺」ひっかかる人 「プロ」の狙い目

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   1億円詐取の疑いで逮捕された<再就職詐欺団>の悪質な手口を所太郎リポーターが報告する。

卑劣だ

   池袋のマンションに事務所を置く詐欺団のターゲットは主に、退職後、再就職を希望する団塊の世代。新聞に求人広告を出すのが手始め。「幹部候補生募集 40-65歳くらいまで環境対策の仕事 年収350-450万円」。

   50代のAさんも応募した一人。「再就職するには優良企業かな、と思いました。営業の幹部として前と同じように頑張ってみよう」と「三共システム」なる会社に足を向けた。

   面接がひと通り終わって最後に面接官が、「一口70万円の互助会費を払ってもらうことが、役員になっていただく条件です。そのお金は退職のとき返還します」。疑問を抱きながらもAさんは70万円を払った。晴れて役員である。ところが、Aさんが入社してみるとスーツの襟にバッジをつけた「役員」がゴロゴロしていたという。

   「事務所では私語厳禁。徒党を組むことをなによりも恐れる。違反すると、田島(容疑者、元社長)がぶんなぐって、額を床にこすりつけて謝らせる。田島を怒らせたら、何をするか分からないといわれた」(Aさん)

   給料はまともに支給されず、そのうえ、「暴力団関係の金融会社から借金している。返さないと大変なことになる。役員のあなたに払ってほしい」といわれ、追加の金まで入れる破目に。

   2カ月も待たずに、退社を決め、互助会費を含め、これまでたて替えた分の返金を申し入れるが、返事はにべもないモノだったらしい。

   こうして、逮捕された田島容疑者ら4人の詐欺団が集めた金は1億円を超すとのこと。

   森永「ハローワークに求職登録している50代の人で、就職できるのは5%、それも半分はパート。幹部候補生なんて話に引っかかるのは役員への憧れか」

   若一「また一から、パートから始めることに抵抗ある人は横すべりの条件を出されると、ついて行くでしょうね」

   室井「これからの人生どうしようかという不安をもつ人を狙うのは卑怯」

   田島容疑者はこれまで2度、詐欺容疑で捕まっている、と所リポーター。

   大澤「詐欺師のプロです。一種の商売としてやっている職業的詐欺師。人が引っかかることに無上の喜びを感ずる。ある意味、楽しみなんじゃないか。覚せい剤や盗癖と同じでやめられなくなる」

   室井「余裕のある人をだませばいい」

   大澤「この詐欺師は、没落する人のなけなしの金を奪うタイプ。卑劣だ」

   魅力的な甘い話には気をつけましょう。

文   アレマ| 似顔絵 池田マコト
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