「むだ遣いの現場をみつけました」と、久々に「ほっとけない!」が元気。
今回の現場は、北海道・余市町。日本海に面した崖沿いの道路が危なっかしい。そこで安全なトンネルを作ることになった。はいいのだが、もう2年間も工事が止まったまま。このトンネル、入り口はあるのだが出口がないのだと。
「新ワッカケトンネル」という。全長910メートル、工費29億円で、昨2007年3月に完成予定だった。すぐ近くの豊浜トンネルで1996年2月にあった崩壊事故(死者20人)のあと、同じような危険のある各地のトンネルの改修・つけかえが行われた。このトンネルもそのひとつだ。
たしかにいま使われている「ワッカケトンネル」は、55年に作られたもので、豊浜トンネル事故と同じころに崩落した巨大な岩塊が海中にころがっている。住民からのトンネルつけ替えの要望も強かった。
ところが工事が始まった後で、用地買収に応じない地主があって、工事は690メートルのところでストップ。掘削用の重機は撤去されて、その費用が2000万円だという。工事再開となれば、また同じ費用がかかる。
「ムダだ」とみのもんたが吠えてみせた。
その地主に聞くと、「話が来たときには、とっくに工事が始まっていた」という。それはないだろう、というところから、話がこじれてしまったらしい。
当の北海道開発局の道路事務所長へのインタビューが面白かった。記者の質問に、「防災事業なので、やむをえないかな」と、用地買収の不手際とムダは認めたが、「費用はどうするんですか」「道路特定財源です」「ムダな費用に税金が投入されることをどう思うか」には、だまってしまい、「ちょっとすいません」と、とうとう答えられなかった。
同様のむだ遣い「5年たっても始まらない、10たっても終わらない工事」は、2008年までの10年間に2782件もあるのだという。うち29件は中止になった。これら工事費の8割は道路特定財源、そのなかにガソリン税の分が含まれる。
みのは、道路特定財源5兆4000億円の解説をし始めた。「30億近いむだ遣いしておいて」と、この辺りがみのの真骨頂。ムダは30億じゃなくて2000万円なのだが、おかまいなし。
「これでも25円の払わなくてもいいお金払ってガソリンいれます? それでも10年延ばします?」。さらに「75歳すぎたら、あなたの保険料天引きしますよ」とまたまた脱線。
すると、元国交省出身の俳優・早坂実が「申し訳ありません。思いこみによるボタンの掛け違い」などと謝った。何のことかと思ったら、経歴に、道路財源担当も・・・と書いてある。去年辞めたんだから、かかわっていたのかも。
しかしまあ、なんと正直な。好感度はアップ。