中国から輸入されたギョーザによる薬物中毒事件で、有機リン系農薬「メタミドホス」が検出された千葉、兵庫の3家族10人の事例のほかに、31都道府県の490人が健康への影響があったと訴えていることがわかった。
スパモニは、千葉、兵庫で被害を出したものと同じ時期に輸入された「ひとくち餃子」などを入手して、独自に検査機関に分析を依頼したが、結局毒物は検出されなかった。「痕跡もない」と検査した技術者もいう。
製品すべてが汚染されているのではないとなると、野菜ではないのか。しかし、被害を出した製品に含まれていた「メタミドホス」は、半端な濃度ではなかった。一部製品にだけ、なぜ? またどこで? ナゾはかえって深くなったともいえる。
問題の河北省・天洋食品廠公司はいぜん取材を拒んでいるが、大阪の食品輸入業者が撮影したという工場内部の映像を、番組が入手した。これを見ると、従業員は帽子、マスク、作業衣に長靴姿で、撮影した業者も「手はきちんと消毒しているし、ここまでの工場はなかなかない」レベルだという。
しかし、なぜかみな素手で食品を処理していた。映像では1人だけ手袋だったが、この違いが何なのかはわからない。また、床が水にぬれていたのは、常に洗い流しているものなのか、殺菌剤なのか詳細は不明だ。
中国の食品事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏が解説した。
赤江珠緒「野菜に残留したものか、工場内でなのかがわからない」
富坂「消去法でしぼってはいけない。どれも可能性がある」
山口一臣「工場に置いてあるんですか」
富坂「工場にあること自体ショックですが、虫がわいたときに使うとか」
赤江「メタミドホスは昨年1月に使用禁止になっているのになぜ?」
富坂「薬品は捨てないですから、裏で流通することはある。残りがあれば使う」
小木逸平「番組が分析したサンプルでは検出されなかったが、被害者の症状ははげしい」
大谷昭宏「発生のし方が奇妙。月に2万パックくらい出ているものだから、もっとひろく発生していいはずが、ひとつだけにドカッと入ってた。だから、警察も最初捜査1課が、殺人未遂でしらべている」
小木「ドカッと農薬が残ることがあり得るのか」
富坂「間違えていれちゃうとか、ありうる。また、そうなっても責任おわされるのがいやだから黙って出しちゃうとか。それにいま中国はコストダウンのしわ寄せが現場へいっていて、労働者は疲れている。安全に目がいってない」
村田晃嗣は「日中共同であたらないといけない。4月には胡錦濤主席も来ることだし」
木場弘子「中国製品はダメ、見たいな風潮が拡がるのはよくないですからね」
山口「これまでの汚染報道でも、加工食品の危険をずいぶん指摘していたが、動いてなかった」
まずは、中国側の思い切った動きがほしいところだ。