1月27日には注目される戦いが3つあった。
大阪府知事選、大相撲の頂上決戦、そして大阪国際女子マラソンであった。マラソンが関心を呼んだのは、ひとえに、トラックの女王、福士加代子(25)が初マラソンに挑戦したからである。1万メートル、5000メートルでは他の追随を許さない日本女子長距離界のエースが、初めてのマラソンでどんな走りを見せるのか。北京五輪の選考レースでもあるこの大会で、オリンピック出場を決めてしまうのか。
しかし、福士にとっては、苛酷さだけを思い知らされる結末になったのではなかったか。2位以下を引き離すことができたのは25キロあたりまで。以後はペースダウン。とくに35キロからはジョギング状態で、横を次々と選手が追い抜いてゆく。ゴールまで500メートル地点でついに足をもつれさせて転倒。長居陸上競技場に入ってからは3回、転びながらようやく19位でゴールにたどり着いた。スタンドにいた母のちぎ子さんはハンカチを目にあてるばかりで、娘の姿を見ていられなかったという。
加藤浩次「どんだけ厳しいスポーツかということですよね」
勝谷「指導する側が甘かった。かわいそう」
福士が正式に参加を表明したのは、昨2007年の12月18日。大会までひとつき余りでは、準備不足も当然で、練習も32キロくらいまでしか走っていなかったといわれる。
彼女自身、「期待と不安があります。期待に応えられるように頑張ります」というコメントを発表していたが、不安がもろに的中した感じだ。
テリー「転倒したところでコーチが止めるべき。骨折したりしたらどうする。福士は日本の宝なんだから。6月には1万メートルの五輪予選が控えているけど、トラウマになる可能性もあって結果はわかりませんよ」
無謀さ故の苦い経験を今後にどう生かしてゆくのだろうか。