「親が子を」「子が親を」という家族間殺人・傷害事件が多発している。新年を迎えたばかりというのに「今日16日でしょ。15日間で14件です。連日です」。みのが呆れた顔で「一体何なんでしょうかね」と特集した。
警察庁がまとめた2007年の殺人・殺人未遂事件は1052件、このうち家族間の事件が半分近い503件だった。さらに今年に入って早くも14件。番組では、このうち親による幼児虐待7件を詳しく報じた。
一昨日(1月14日)午後、宮城県石巻市で実の末っ子の娘、寿々乃ちゃん(生後4カ月)の顔にクッションを押し付け窒息死させた疑いで父親の無職、三浦春樹容疑者(37)が殺人の疑いで逮捕された。理由は「泣きやまないので腹が立った」。
同じ日、栃木県では4男(3つ)の襟首をつかまえて床に投げつけたトラック運転手、浅川達也容疑者(30)が傷害の疑いで逮捕。「叱ったところふてくされたので」。
9日には、千葉市で、会社員、山口照秋容疑者(36)が長男(生後2カ月)をベビーベッドにたたき落し一時は意識不明の重体。傷害の疑いで逮捕。「泣きやまないのでパニック」。
一方、子供の親に対する事件も後を絶たない。
9日に青森県八戸で起きた長男(18)による母と2男、長女刺殺事件はまだ生々しい。その後の調べで、母親の腹部を横に深く切り裂き、腹部に人形を詰めるという猟奇的な事件に発展している。
「家族とか兄弟とかが壊れている。どこかで歯止めをかけないと大変です。いったい何故なのか」(みの)。誰もが疑問だが…
常磐大大学院の諸澤英道教授は次のように指摘する。
「幼稚な心理状態なんですが、嫌なことを消し去るということが簡単にできると思っている人が非常に増えている。とくに親の子殺しが増えているのが目立ち始めている。これからもますます増えるでしょう」
「そうした予兆は必ずある。事件になる前に、介入してサポートしてさし上げる。それが日本はまだ出来ていない」。
毎日新聞論説委員の与良正男も「どこかで歯止めかけないと、殴られた子供が親になり、虐待は継承され固定化されていってしまう」と、警鐘を鳴らす。