4億1436万5841円--社保庁と自治体職員による年金の着服・横領155件の総額である。まあ、やってくれたものだが、スパモニはその当事者の何人かのナマの声をつかまえた。
◇ 14人分の掛け金48万円をそのままポケットにいれた社会保険事務所の嘱託職員は、「社保庁に一発くわしてやれと。嘱託の扱いが余りにもひどいので、腹いせにやった」という。で、現在は年金頼りの生活なんだと。
◇ 架空の台帳をつくって、4400万円を横領した愛知・半田社会保険事務所の元年金給付係長は、同僚から聞いた「請求されない番号を使えば、年金なんて簡単にもらえる」のひとことがきっかけだった。この係長は1991年から3年にわたって、持ち主がない基礎年金番号5人分に、勝手に記録を打ち込んで、年金を詐取した。
「同僚にいわれて、わたしも病気にかかったわけで、家族のことを思ってやってしまった」という。男は懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。が、病気のもとになった同僚はどうしているのかが気になる。
◇ 91年に50万円を着服した石垣社会保険事務所の調査官について、社保庁は、「すでに退職(退職金をもらって)しており処分できず、時効(7年)のため告発もできない」としている。元調査官は転居先不明だった。そこで、カメラは元上司になぜ告発しなかったかを聞いた。なぜ隠蔽したのか。
「上に報告しなかった。責任ありますね。いま考えると相当あります」といったが、社保庁が処分に相当する金額の寄付を求めていることには、「寄付はしない。何も悪いことしてないもの」
◇ 元社保庁長官だった北郷勲夫氏にも迫った。歩きながらのらりくらりの末、「軽微なものでしょ」。軽微もつもれば4億円てか。
宮崎美子が、「こういう人たちに老後を託していたんですね、わたしたち」
若一光司は、「歴代長官は厚労省の調査にも協力しなかった」
赤江珠緒は「牢屋へ入ってもらうというのがありましたね」といった。
舛添厚労相は昨年2007年秋、「横領のようなことをした連中は、きちっと牢屋に入ってもらいますよ」といったが、いまもほとんどが告発もされていない。小木逸平が解説した。
横領のうち社保庁26件と自治体59件は、時効のため告発されず。自治体の16件は告発されたかどうかさえ不明。で、告発された8件は全て自治体だが、うち6件が起訴猶予。「社会的制裁を受けているなどが理由。牢屋どころではない」と小木。これでみんな切れた。
室井佑月が「寄付っての、おかしくない? 一般人と違うんだから、だれが横領したか、すっとぼけたかを公表すべきだと思う」
若一は「自治体では、社保庁に連絡したが、何もいってこなかった。なんでいまごろというのもある」
赤江は「万引きだって警察呼ぶでしょうに」