品川通り魔事件 犯罪心理学者の分析は意味あるか

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   「だれでもいいから皆殺しにしたかった」「塾の先生に叱られてムシャクシャしていた」--1月5日午後、東京・品川の戸越銀座商店街で、高校2年の少年(16)が男女5人に包丁で切りつけた通り魔事件。その言い訳は、またもやどこかで聞いたようなものだった。

それが無差別に?

   こんなバカにつける薬はない、といって終わりにしたいくらいだが、テレビはそうもいかないのだろう。犯罪心理学者の作田明氏が登場したが、「自分が疎外されているとか、不満が蓄積して爆発した」と、まあ型どおり。

   赤江珠緒が「それが無差別になるんですか?」と疑問をだしたが、「孤立感が強いんでしょう。佐賀のバス事件と同じ精神状態ではないか。徴候はあったと思うが、見極めるのは難しい」という。

   少年は駆けつけた警官に殺人未遂容疑で逮捕されたが、抵抗するでもなく、おとなしくなったという。要するに、答えなんかないのだ。コメンテーターがいろいろいっても、響いてくるものがない。それよりも、映像と音だった。

   商店の内部に設置された防犯カメラには、「ウワーッ」とわめく少年の声までが入っていた。ベビーカーが、車椅子が、カップルが、通行人が、あわただしく逃げる。その後を包丁を手に足早に追う少年。1点をにらんで動かないカメラが、事件の断面をきちんと捉えていた。

   こればかりは、新聞や雑誌では逆立ちしてもできないワザだ。ほかにも携帯のカメラでコートの背中を切られた人、パトカーや自転車で動き回る警官などを撮った人もいた。

   さすがに、少年が逮捕されるところはなかったが、それでも、少年の歩く姿と叫び声は生々しい。「塾の先生に叱られて」という子どもの声との落差が空恐ろしい。

   しかしこれ、考えてみると技術的にはネットでも流せるものだ。ここに動画がついていてもおかしくない。

   コメンテーターがつまらんときには、絵を見ていた方がずっといい。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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