アナログな番組のデジタル化
紅白の勝敗結果を東京タワーのライトアップの色で表示する――というのが今回の趣向だった。その結果、白い東京タワーはテレビ的に冴えないという事実が判明。ともあれ、鶴瓶のおかげか白組が3年連続で勝利を手にし、通算成績を30勝28敗とした。
昔、紅白の勝敗を決める場面では、会場内の審査員が掲げた団扇を「野鳥の会」などがすばやくカウントする風景が、ひそかなハイライトであった。いまでは、すっかりデジタルである。
団扇はコンピュータが集計するほか、「勝敗は視聴者が決める」として、テレビの前のケータイ審査員、ワンセグ審査員、デジタルTV審査員から投票を受け付けた。公式サイトによると、計約30万票の投票があったという。なお、ケータイ審査員のアクセスが殺到したせいで、「投票できなかった」との苦情がNHKに多数寄せられた模様だ。
アナクロでアナログの代名詞のような紅白で、“審査"だけが性急にデジタル化と民主化が進行してるのも、なんだか不思議な感じではある。
ボンド柳生