落合恵子「警察のみせしめ、汚い!」 内部告発者のその後

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   愛媛県警の捜査費をめぐる裏金問題で、内部告発した仙波敏郎巡査部長(58)の孤軍奮闘がまだ続いている。

内部から腐ってる

   全国の警察で裏金問題が表面化した04年、愛媛も含め各地でOBによる告発があったが、仙波巡査部長は唯一人、現役で顔をさらした。とたんにそれまでの鉄道警察隊から通信司令室に異動になり、机はあるものの仕事なし。だれも口をきかない、顔をそむける、食堂に入るとシーンとなる、尾行されるなどの日々。

   仙波氏の訴えに昨年6月、県の人事委は「人事権の濫用」として異動を取り消した。この9月の松山地裁判決は、県警本部長の関与まで認めて「配置転換は報復人事」と断じ、100万円の損害賠償を命じたが、県警は「県議会の議決」をへて控訴した。その後も事態は何一つ変わらないという。

   しかし、この話には長い前段があった。仙波氏は67年に警察官になり、同期ではいちばん早く巡査部長になるなど、将来の幹部候補と目されていた。が、三島警察署勤務のとき、上司から裏金作りのニセ領収書を書けといわれたのを、「私文書偽造になる」と拒否。

   以来38年間、13部署、転勤20回以上。警部補試験を受けても、上司に「君は通らんよ。領収書書いてないから」といわれた。「領収書作りは、警部補以上への踏み絵なんだと思った」と仙波氏はいう。

   過去のことではなく今も続いているのだという。

   萩原麻衣子は手厳しい。「今回の訴訟は、05年1月の内部告発以降の違法性。本当に問われるべきは、30何年間の人事ですよ。組織的な犯罪。会計検査院は何をしてるのか」

   落合恵子は「真面目にいきる人への攻撃だと思う」

   全国で捜査費(報償費)の返還合計は12億2195万円にのぼる。が、これも、明るみに出たものだけだ。

   この問題にはいろいろ関わってきた鳥越俊太郎は、「全国の警察に裏金があると思う。これは私文書偽造、公文書偽造。業務上横領、詐欺にあたる。裏金を餞別にもらった幹部は、脱税でもある。いろんな犯罪を網羅している。正義や正論が通らずつぶされてしまう。内部から腐ってる」という。さらに「何人もの現職の警察官から証言をえていますが、顔を出したのは仙波さんだけ」とも。

   落合恵子は「みせしめ。内部告発したらこうなるぞということに使っている。こんな汚いことはない。1人の人間の人生をどう考えているのか」といった。

   仙波氏は「領収書を書かないのは、組織の敵」といわれている。これが、警察の実像。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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