忘年会シーズンの「お約束」ネタであろう、「ぼったくり店」注意報を番組は取り上げた。舞台は新宿・歌舞伎町だ。加藤浩次も「健全になったイメージですけど」という歌舞伎町だが、実態はどうなのか。
ぼったくり事情については、阿部祐二リポーターが取材した。期待したような「実際にぼったくられてみた」という体験リポートはなかった。外国人客引きに声をかけ、どの国から来たのかを尋ねていたが、数人に囲まれ「険悪な雰囲気になった」と退散していた。
場面変わって顔を隠し音声を機械的に変えている録画では、10年以上新宿の店舗でオーナー経験があるという男性が登場した。男性によると、「おっぱい触れるよ、5000円」などという、特に外国人客引きについていくと「ドカンとやられます」。酒を飲んだ時点ですでに「終わり」だそうだ。酒に薬を仕込まれており、客はすぐにふらふらになり寝入ってしまう。後は財布から現金、カードを抜き取る手はずで、「10何万円」はぼったくられることになる。
かなり「古典的」な話題であまり「驚き感」はない。ところが、少し興味を引いたのは、阿部リポーターに声をかけてきた客引きが、防犯カメラが設置されているエリアは「逆に警察の取り締まりが甘い」と指摘したことだ。客引きや阿部が映っている場所周辺には防犯カメラが設置されていた。安部はすでに午前2時で、店は営業できない時間のはずだと、客引きに指摘したが、客引きは「やってるよ」とどこ吹く風だ。
スタジオで取材内容を報告する阿部は「カメラがあるから(警察が)来ない」「(来ないから客引きが)やりやすい状態になっている」とまとめた。
防犯カメラの「効果」、もしくは「逆効果」の可能性について答えを出すには、もっと詳しい検証が必要だろう。とは言え、早めにチェックする価値はありそうだ。
もっとも、世界の歓楽街を取材したという勝谷誠彦はもっとシンプルな「答え」を教えてくれた。「客引きには絶対付いて行かない、付いて行ってもいい事はない、世界の原則です」。そりゃそうだ。