「スマイル~聖夜の奇蹟~」
これから楽しみの少女岡本杏理 芝居もうまい!

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   ずぶの素人が北海道の少年ホッケーの弱小チーム「スマイラーズ」を引き受けて勝たせて行く。見ていてどこかの映画のストーリーの寄せ集めだと気づく。先ず大枠は「飛べないアヒル」(MIGHTY DUCKS)、エミリオ・エステベス扮する弁護士が酔っ払い運転で社会奉仕を命じられ「マイティ・ダックス」という少年アイス・ホッケーチームを引き受け、万年最下位から優勝に導く。このマイティ・ダックスは現在アナハイムのプロホッケーチーム名となっている。野球の「がんばれベアーズ」も同じ構図だ。一流チームでは補欠だが弱小チームに入れば中心選手、もどこかで見た。決めのセリフ「いつか誰かにあってこの言葉を聞いたら私だと思って」は「天国から来たチャンピオン」だ。病院の窓の下で仲間が集まり患者を応援するのは「ブラス」。原作・脚本・監督の陣内孝則は確かに良く映画を見ているが、オリジナリティが欲しいよな。もっとも観客はこんな映画を知らないから感激するか。

(C)2007 フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝/電通
(C)2007 フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝/電通

   タップダンサーの夢破れた修平(森山未來)は恋人静華(加藤ローサ)の居る北海道へやって来る。静華の父親は少年アイス・ホッケーチーム「スマイラーズ」のオーナー。娘を修平に嫁がせたくない父親は、万年最下位のチームを優勝させたら嫁にやる、と約束する。しかし修平はホッケーを全く知らない。プロのタップダンサーを目指していたし、彼の大学での専攻は児童心理学だ。持てる知識を集め、少年たちをマインドコントロールして試合に臨ませる。初めて一勝した時の感激。チームの主力選手昌也(綿貫智基)は東京からやって来たフィギュアスケートの少女、礼奈(岡本杏理)に魅かれる。昌也は両親を交通事故で亡くしそれから笑顔を見せたことが無い。

   陣内監督のテンポは快調だし、カメラワークも斬新で物語は観客を巻きこんで飛ばして行く。少年たちのホッケーも迫力がある。実際の少年選手たちを使って撮影しているからだろう。宗教色が無いからクリスマスの決戦も意味が無いし、テーマ曲の「The Little Drummer Boy」も前後関係とどう繋がるのか、単にメロディが良いだけで使ったのか。森山未來はいい味を出している。タップも本職ハダシで見事だ。礼奈の岡本杏理は可憐で足も長くきれいで芝居もうまい。これからが楽しみの少女だ。ただやはり全体のタッチがフジTV調なのが気になるが。

恵介
★★★☆☆
「スマイル~聖夜の奇蹟~」
2007年、日本映画、東宝配給、2時間4分、12月15日公開
監督・脚本:陣内孝則
出演:森山未來/加藤ローサ/田中好子
公式サイト:http://go-smilers.jp/index.html
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