「反省の度合いをくらべるのも、おかしいけどね」。亀田大毅と朝青龍の同日謝罪会見を比較検討批評するコーナーがはじまると、司会の小倉智昭はちくりと口を出す。
さすがは大物。彼はただの雇われ司会者ではなく、少なくともスーパーバイザー兼任だと知れる。まあ、小倉の発言が、一部視聴者が持ちうる疑問を先回りする形にもなっているわけだ。
そこで、リポーターの大村正樹が「まあまあ、そんなこと仰らずに聞いてくださいよお」的に引き取り、話し始めれば、(小倉だけでなく)視聴者的にも話を聞こうか、とならないでもないのかもだ。裃のようにゴツい肩パット入りのダブルスーツ野郎が、いきなり大声でわめき散らしはじめるよりは、だが。
比較の内容は、2人を扱った新聞記事の大きさくらべや、街頭100人インタビュー。「反省が伝わった」のは、朝青龍75人対大毅19人だった。
小倉の意見は「両者ともうまくいった」「狙い通りだったんじゃないの」。朝青龍は伝統芸能のトップという立場上、マジメに謝罪しなければならないが、大毅にとっては、あのキャラを続けるほうがトクだとの趣旨である。
なお、最後に「毛皮問題」が話題になった。「日本一でもない大毅が謝罪会見に(偉そうに)毛皮を着てくるのは…」(鈴木大地・順天堂大学準教授)
すると、小倉はとくダネを披露。「ドン小西が、あれは安物だって」
どうやら、自分の内面とシンクロしたファッションだったようだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト