朝8時30分、スパモニのスタジオに小沢一郎・民主党代表が登場。濃紺のスーツにダークブルーのネクタイ。
「こういう情報番組は初めてです」とおだやかな表情で「なにしろマスコミは苦手なもんですから」手をひらひら振って照れた。
画面には――独占!!緊急単独生出演!!すべてを語る―――ものものしい。
政界の大物ではあるが、まずはテレビ番組の洗礼を受ける。<10の質問>だ。
「スパモニは・・・大概毎日6時ころから見てます。印象?とても面白い」(注・スパモニは8時スタートだからモーニングショー一般を見ているということだろう)
「今朝の献立?ごはんはきっちり1膳。トウフの味噌汁と漬け物に玉子焼き。夜は液体が中心になります(笑)量はお銚子3~4本くらい」
本題になると主として鳥越俊太郎と対論。「守屋前次官と額賀財務相のW喚問」「“仁義なきガチンコ国会”の行方」
「日本人は昔からお上信仰、つまり役人、官僚の権力が強くて、それに政治家が乗っかる。長い権力は必ず腐敗します。政官の癒着はいちど大掃除しないと・・・国民にとってこれは深刻な問題です」
小沢一郎という存在は野党のなかの一党首ではない。与党である自民党を支えてきた“政界の総番長”ともいえる。
「大連立騒動」・・・その真意についての話題になって、鳥越俊太郎が身を乗り出した。 当事者が大連立!をテレビで淡々と語ったのだ。
「(党首会談で)福田さんは連立を最優先にすると。われわれが主張する安全保障の原則や国際貢献について、180度変えてもいいと大胆な提案をしてきたんです」
「今でも正しいと思っている・・・」
民主党の主張を受け入れることを優先にした福田首相と小沢代表。両者で確認した内容を文書にしたという。大連立はメモだけが残った・・・
生出演!!のおわりの部分。
鳥越「国民がようやく政権交代が必要かなと思い始めたか、という時期ですので、健康面に気をつけて・・・ぼくはがん(大腸がん、肺がん)をやってますので」
小沢「からだは精神的にはナニですが、ぼくも甲状腺がんをやってます。20代で選挙で当選してすぐのころで、政治家を辞めようと」
鳥越「心臓といわれてたけど、初めて聞きました」
初告白!もあった生出演。終了は9時14分。合計44分(CMタイムを含む)の生トークは“豪腕・強引”の雲上人ではなかった。並みの政治家と違うわかりやすい説得力で終始、モーニングショーのインタビューとしては迫力、緊張感があった。
かっての勝ち犬は、いまは負け犬サイドだ。しかしその存在感は変わらない。吠えなくても・・・。